2010 04 04

THE GARDEN

THE GARDEN

監督 : デレク・ジャーマン
出演 : ティルダ・スウィントン、ロジャー・クック
1990年公開(イギリス)
アップリンク  Amazon

カチンコ シュールすぎて、なかなか入りこめなかった。
   ただ私の場合、映画の良し悪しは後々定まっていく。
   観終わった瞬間、心地よさをおぼえても、
   二度と思い出すことのないものは、もう観ることもない。
   逆に、表現が直接的すぎたり、退屈だったのに、
   ふとした時ごとに光景が甦ってくるものは、
   何かの節目でまた観返したりする。
   この映画は後者になる予感がしていて、
   特に、デレク・ジャーマン自身の庭は必見。


監督のデレク・ジャーマンは同性愛者で、1994年にエイズのため
この世を去っているが、作品には必ずと言っていいほど、
男性同士の性的な描写が現れる。

それを理解するには、彼の遺書にあたる『At Your Own Risk』の
翻訳を手がけた、大塚隆史氏のコラムが参考になった。
(『デレク・ジャーマンが逝ってしまった』は→こちら

当時イギリスでは、学校の教材などに同性愛を助長する出版物を
使用しないという法律「セクション28」が制定されるところで、
それに対しての反発もあったとか。

「庭」はエデンの園を指し示しているようで、
同性愛者をその住人として描き、キリストに断罪させることで、
同性愛を禁じたキリストへの疑問符を提示していたのか・・・。

derek jarman\'s garden
     デレク・ジャーマン(著)・ハワード・スーリー(写真)
     Thames & Hudson 1995 Amazon

晩年過ごした家と、映画にも出てくる庭が収められている。
彼は庭を愛し、たくさんの植物を大切に育てていたが、
いわゆるガーデニング的な様子とは、一線を画すもので、
植物は無機物とともに独特のリズムで配置され、囲いもない。

特に石については、興味深い使い方があちこちで見られるが、
(円形に敷き詰めたり、首飾りのようにしたり、立てたり)
奇をてらったというよりも、何かに祈りを捧げるような力が宿る。

その石や流木のせいなのか、どことなく
ジョージア・オキーフの絵を思い起こさせる平面的な庭。

背の高い木々はなく、特に目立った色もなく、まわりは荒野。
遠くまで見渡す視界を遮るものはなく、奥には原子力発電所が。
本来彩りがあるはずの花たちも含め、とてもとても静かで、
8年の歳月の中で様変わりしながら、墓場に見える瞬間もある。

エコや癒しといった華やかな言葉は不釣合いで、
淡々と儀式のように作業をこなす姿だけが、そこにあった。
posted by クラタ at 23:58 | Comment(2) | TrackBack(0) | 植物の映画
この記事へのコメント
「デレク・ジャーマンズ ガーデン」!!
何年か前に欲しくて手帳に書いて、
忘れてしまっていました。
思い出させてくれてありがとう。

この映画は知りませんでした。
機会があれば見てみたいです。
Posted by hsgw at 2010 04 05 11:26
hsgwさん

思い出してもらえてよかったです(笑)。
私は「デレク・ジャーマンって誰やったっけ?」と思いながら、
風貌や手からすっかりガーデナーと思い込んだまま
この本を買っていました。

昨日映画を見た後、ブログを書こうとして、
アマゾンのリンクを貼るときになってやっと、
「あれ!?この表紙ってうちにあるアレ!!」と、
急いで引っ張り出してきました。
Posted by ミヤマエ at 2010 04 05 17:47
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