2010 03 31

魔法の鉢

しばらくバタバタとした日が続き、あまり更新できないまま
いつの間にか今日で三月も終わりです。
明日からは四月となり、それぞれの春が始まります。
気を引き締めて、新しい年度に入れるようにしたいです。

先日、「魔法の鉢」を作ってきました。
教えて下さったのは、大野月子先生。

大野月子先生

もともと、先生という呼び方はどちらかというと苦手なんですが、
この方の場合はむしろそう呼びたい!と思うほど、
とにかく、チャーミングで謙虚な方でした。

まったく偉ぶった振る舞いもなく、気負いもなく、
引かれているからこそ、ますます押したくなるのでしょうか・・・。
いやいや、本当にすごいことをなさっているのです!!

ではまず、何をもって「魔法」の鉢なのか。

1 焼かずに自宅で作れる
2 どんな形にも加工できる
3 通気性がよく高山植物が元気に育つ
4 土に還る

魔法の鉢1

手作り鉢を何度となく夢見てきたような方たちは、
そんなバカな!!と叫ばれるかもしれません。
しかし、画像上部に見える石のような鉢こそが、まさにそれ。

実は、新聞紙とセメントでできています。
材料を混ぜながらひたすらこねたものはまだ水気が多く、
型にはめて成形するので、型によって形や表情が変わります。

魔法の鉢3

何だか見覚えがあるような・・・?
そうですそうです、プチプチです。

魔法の鉢4

これは、段ボールの型。

夏の暑い京都でも高山植物を育てたいという思いから
考案された、この鉢で育てられた植物たちは、
一瞬目を疑うほど健康で、いきいきとしていました。

山野草が似合うような自然石の感じが基本ですが、
工夫次第でさまざまにアレンジできるので、
和風じゃない植物にもかっこよく合わせられそうです。

材料に顔料などを入れ、色付けしているので、
色もいろいろできます。

魔法の鉢2

これは、鉢が固まってから青い顔料をのせているそう。
桜を育てるための大きい鉢も作ったとおっしゃってました。

そして、陶器の鉢と決定的に違う点は、土に還るということ。
特にこの点で、専門家からも注目を集めています。
普通粘土というのは、ある一定の温度以上で焼かれると変質し、
水に入れても土には戻らなくなります。

そのため、はるか昔の陶磁器が発掘されたりしますが、
魔法の鉢はちゃんと土に還り、しかも寿命があります。
セメントの割合が少ないため、数年経つとポロポロ欠けたり、
割れやすくなっていき、そこからが本領発揮です。

セメント=粘土+石灰岩
新聞紙=木材パルプ

もともと自然原料のため、寿命を迎えた鉢を細かく砕いて
土に混ぜ込めば、培養土として使うことができ、
内容的にも土中水分のバランスをよくする配合です。

こんなに優れた鉢なのに、登録商標などがないことから、
作り方が自由にネット上で紹介されたりしています。
大野先生は「しゃあないなー。」と、ちょっぴり寂しげなご様子。

なので、私は声を大にして言いたい!
たとえ最初はネットを見て作り始めた人でも、
気に入って二つ目を作る時には、必ずこれを買ってくれと!!

魔法の鉢づくり
     大野月子(著)・森和男(監修)
     小学館 2006 Amazon

一般の書店ではすでに絶版になっていることもあって、
古書扱いで10,000円ほどの高値で取引されていた事実を知り、
「そんなんいっぱいあるし、電話してくれたらなー。
うちなら1,800円で買えるのに。」と笑っておられました。
どこまでも、優しい・・・。

ほしい方は先生か出版元へ直接ご連絡を!
面倒な方は、私へご連絡いただければ取り継ぎます。

本には、いろいろな作り方から、鉢を土へ還す方法、
魔法の鉢で植物が元気に育つ科学的な解説まで載っていて、
ひいき目を抜きにしても、充実した内容になっています。

京都府八幡市のご自宅にはすさまじい数の鉢と、
それに入った植物が並べられている光景は、圧巻!!
事前予約制で一般にも公開されているため、
今度お邪魔する約束をしました♪
posted by クラタ at 23:36 | Comment(5) | TrackBack(0) | 植物のいろいろ
この記事へのコメント
興味深い話です。
粘土は土に還らないんだね。
魔法の鉢は土に還る・・・すごいね!
ちょっと縄文土器っぽい感じも良いね。
先生の御自宅の記事も楽しみにしてます。
Posted by hsgw(まだまだギプス中) at 2010 04 01 11:30
hsgwさん(大丈夫?)

んーとね、正確に言うと、
粘土というか、陶やね。

粘土は水につけたら柔らかくなるやんね?
でも、素焼きした鉢は水につけても戻らない。
一定の温度以上で焼いて、陶に変化してるから。

私たちの方でも、後日、縄文土器の話になったよ。
後付けの意味はいろいろあっても、
最初の動機ってほんとは単純やもんね。

ひと通りつくり方を覚えたら、
いろいろアレンジしてみたくなるっていうのは
縄文時代から変わらん人間の性なんかもしれんね。
Posted by ミヤマエ at 2010 04 02 23:16
初めまして。韓国からです、私李(リ)と申します。ネットを見て 知りました、大野月子先生の作品 素晴らしさに 魅了されて魔法の鉢を 勉強したいです。まずは '魔法の鉢'の本を一冊 購入しようと しますが 出来るんでしょうか、まずは これで失礼 致します、以上、
Posted by 李(リ)政源 at 2015 11 08 16:53
しょうざんリゾートでみていらい、作りたい❗と思い、本を、ネットでたのみましたが、廃盤。先日は鉄道博物館横の、お庭で、またお見かけしてまた、やっぱりステキ。本がほしいです。ご紹介お願いいたします
Posted by 打村三恵子 at 2016 05 27 10:06
大野月子先生の「魔法の鉢つくり」の本がほしいです。1800円で購入できるのでしょうか。本を読み、頑張って作ってみたいのでお手数ですがお取次ぎお願いいたします。
Posted by 前田洋子 at 2016 05 29 00:57
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